岡本 紀明
教授

博士(経営学)神戸大学

岡本 紀明教授

博士(経営学)神戸大学

財務会計領域全般に興味があり,これまで特に会計基準のグローバリゼーションや公正価値会計、のれんの評価などを取り上げて研究してきました。特に会計学以外の社会学や政治学等の知見を援用して,会計に関する諸問題に学際的にアプローチしています。現在は企業の社会的インパクトの認識・測定に関心があり,従来の会計の枠組みを変える可能性を秘めているのではと期待しています。2022年から2023年にかけてロンドンスクールオブエコノミクス(LSE)で在外研究の機会を得ましたが、イギリスの方が社会的インパクトの認識・測定が進んでいると感じました。メインの会計学の枠を越えてあれこれ思索するのが好きで,例えば会計制度やそれを支える概念(例えば利益やROEなど)は社会でいかに存在して変化し得るかという問題意識から,制度論や社会的存在論(social ontology)の分野にも手を広げています。

専門分野

財務会計・国際会計・学際的会計研究

所属

国際経営学科
経営学研究科 国際経営学専攻博士課程前期課程
経営学研究科 経営学専攻博士課程後期課程

学歴

神戸大学大学院経営学研究科 博士後期課程 修了

主要な研究業績

"Finance without Unified Measurement Framework: Rise of Collective Norm Entrepreneurs in Impact Finance in Japan (Chapter 17)," in Othmar, M. L., Theresia, H., Hanna, S., and Olaf, W. (Eds.). The Routledge Handbook of Green Finance. Routledge: London (pp. 300-316) 2023.
"Collectively Accepted Social Norms and Performativity: The Pursuit of Normativity of Globalization in Economic Institutions," Journal of Economic Methodology, Vol. 27, No. 3, pp. 226-239, 2020.
"Social Ontology and the Identification of Generic Performativity in Social Science: A Case of Performative Financialization," Philosophy of the Social Sciences, Vol. 53, No. 4, pp. 303-326, 2023.
"Financialisation in the Context of Cross-shareholding in Japan: The Performative Pursuit of Better Corporate Governance," Journal of Management and Governance, Vol. 28, No. 1, pp. 373-357, 2024.
Institutional Change and Performativity: The Impact of Globalization and Financialization on Accounting in Japan. Palgrave Macmillan, 2024

アワード・ファンディング

2022~2024年度 文部科学省科学研究費助成金 基盤研究(C) 「企業業績評価の社会的シフトに関する理論的・実践的研究―インパクト加重会計を中心に」
2021~2022年度 村田学術振興財団研究助成 「コーポレートガバナンス・コードの開示原則が企業の株式持ち合いに与えた影響の探求」
2018~2020年度 文部科学省科学研究費助成金 基盤研究(C) 「のれんの会計処理をめぐる国際的駆け引きと会計基準設定における説得の探究」
2016~2017年度 野村マネジメント・スクール学術研究支援(研究助成) 「非上場株式及びのれんの評価に関する理論と実務の国際比較研究」
2014~2015年度 文部科学省科学研究費助成金 若手研究(B) 「非上場株式の公正価値会計における理論と実務の比較分析」
2013~2014年度 一般財団法人 ゆうちょ財団 研究助成 「複雑な金融商品の評価に伴う外部専門家の利用に関する国際比較研究」
2019年度 グローバル会計学会学会賞(2021年3月)

社会活動

日本会計研究学会 評議員(2018~2021)
国際会計研究学会 スタディグループメンバー(2017~2019)
日本知的資産経営学会 理事(2019~)
一般財団法人 ゆうちょ財団 研究助成 審査委員(2018~2022)
Scandinavian Journal of Public Administration, International Advisory Board Member
Applied Finance and Accounting, Associate Editor

インタビュー・メディア

みらいプラス★特集★「みつけよう!じぶんのテーマを」:『「企業」の値段づけは難しい。企業買収の会計処理の研究』
グラスゴー大学・アダムスミスビジネススクールの会計研究セミナーにおける招待報告(2022年9月)
ニコラス・ブリセット『経済学と遂行性』書評 『オエコノミア』(2022年12月)
「インパクト加重会計の可能性」『企業会計』2024年5月号

著書

(分担執筆)中野貴之編著『IFRS適用の知見:強制適用および日本における任意適用の分析』第11章「英国」担当,同文舘出版,2020年。

(分担執筆)古賀智敏編著『会計研究の系譜と発展』第15章「定性的会計研究のゆくえ―解釈的会計研究の展望」担当,千倉書房,2019年。

ドナルド・マッケンジー著,岡本紀明訳 『金融市場の社会学』 流通経済大学出版会, 2013年

Noriaki Okamoto, "Finance without Unified Measurement Framework: Rise of Collective Norm Entrepreneurs in Impact Finance in Japan (Chapter 17)," in Othmar, M. L., Theresia, H., Hanna, S., and Olaf, W. (Eds.). The Routledge Handbook of Green Finance. Routledge, 2023.

Noriaki Okamoto, Institutional Change and Performativity: The Impact of Globalization and Financialization on Accounting in Japan, 2024